西舘好子(2018)「家族戦争:うちよりひどい家はない!?」(幻冬舎)|アナリストの読書感想文

西舘好子氏の「家族戦争 うちよりひどい家はない!?」を読みました。

家族の絆、関係性について考え直させられる一冊、読み終わると心が温かく満たされた気持ちになりました。

西舘好子(2018)「家族戦争:うちよりひどい家はない!?」(幻冬舎)

どこの家族でも、家族ゆえの悩みや問題を抱えていると思います。私も家族であるがゆえの悩みをモヤモヤと自分の中で消化しきれない時期に、この本を手に取りました。

家族戦争 うちよりひどい家はない!?

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元夫・井上ひさし氏との生活

著者である西舘好子氏が、前夫で作家の井上ひさし氏(2010年75歳死去)との家族生活を赤裸々に綴ったエッセイです。

仕事と家庭生活のこと、離婚、子育てなどについて経験を語られていますが、中でも家庭内暴力(DV)についての話が衝撃的でした。

西舘好子さんのご両親の前でも、井上ひさしさんは彼女に暴力を振るっていたそうです。そのことについて、西舘好子さんは「家族の愛情を受けずに育った井上ひさしさん」「家族の愛情いっぱいに育った自分」という風にお話されています。

「家族が家族でいられるのは難しいこと、一時的なこと。本質は別れていくことにあります。」

生きることに必死な時代

バブル崩壊後に産まれた私にとって、「食べるために働く」という感覚は、理解しがたいところがあります。「衣食住」が満たされていて、当然の時代に生まれて、育ってきました。

でも、第二次世界大戦中や戦後に生まれ育った人たちは、「働くことが生きること」だったのだろうと思います。そんな人たちが日本の高度成長期を支えて、今の日本を築きあげたのですよね。

老いることで得た恵みの時間

私がこの西舘好子さん「家族戦争」の中で最も印象に残った言葉、

「老いることで得た恵みの時間を享受しています」

私も年齢を重ねて、こんな風に言えるようになりたいです。

「若かったとき、手にしたかったお金や地位は、この恵みの時間(老いることで得た恵みの時間)を前にすると、ちっぽけなものにしか感じられません」

「深い思い出を私の胸に残したことが、何より私の財産となりました」

私は、今、地位や名誉、お金を得ようと必死になっているように思います。でも、そのことがいいのか、悪いのかではなく、どんなことも深い思い出になるのかもしれませんね。

深い思い出を胸に刻み、老いることで恵みの時間を得られるように、そんな風に今を生きて行きたいと思いました。

家族戦争 うちよりひどい家はない!?」とてもいい本でした。何度も時間をかけて、読み直したいなと思える本でした。

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