馬渕治好(2018)『投資のプロはこうして先を読む』|アナリストの読書感想文

2018年9月に発売された「投資のプロはこうして先を読む 」を読みました。

「投資の収集と分析」について、投資のプロである馬渕治好が書かれた本です。投資をしている人だけでなく、広く経済ニュースなどにふれている人にも有用な一冊だと思いました。

馬渕治好(2018)『投資のプロはこうして先を読む』

投資のプロはこうして先を読む 日経プレミアシリーズ

本著は、投資のプロである馬渕治好氏が「投資情報の収集と分析」について述べている。

マクロ経済に関する情報をどこから得てどう活用するかという面に絞って具体的な情報源となるURLが紹介されているほか、為替相場の変動要因や株価についての分析手法としていくつかの投資尺度、ファンダメンタルズ分析、外国人投資家の動向などについて、書かれている。

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自己責任のもと自分の将来を切り開く

投資の前提として「自己責任の原則」について述べている。自己責任の原則とは、「金融商品取引において損失を被っても、投資家が自らの判断で取引を行った限りはその損失を自ら負担する」という原則だ。

著者は、この自己責任の原則を「個人個人の人生」にまで広げて解説する。

自分がどう生きたいのか」を前提として、「そのために必要な資金についてどう稼ぎ運用するべきなのか」、自分で判断することが重要であるとする。投資で稼ぐことありきではなく、「自分が望む生き方を実現するための資金運用」という理解をした。

自分で判断するために必要なこと

個人投資家の中には、専門家の推奨銘柄を言われたままに購入する人も少なくないように思う。投資をしていない人であっても、Yahoo!ニュースや誰が書いたかも分からないネットニュース・ブログを鵜呑みにしている人は多いだろう。

投資に限らず、情報があふれた現代社会においては、正しい情報もあれば、間違った情報も多くある。情報発信者により大きなバイアス(歪み)がかかった情報もかなり多い。このような環境化において、情報を収集し、選別して、自らの判断を下す、その重要性についてはすべての人に知ってほしい点である。

本著には、「こうするべきだ」と言った行動の指針が書かれているわけではない。しかし、自分で判断を下すために必要となる情報源や分析手法について学ぶことができる。結論よりも、ずっと大切なことである。

余談ではあるが、文中の著者のツッコミ、例えば「筆者は性格が冷淡なので、短期売買を行って人生が破綻する人がいても、別にその人を救おうとは思わない」28pなどがツボだった。

投資家だけでなく広く経済に触れている人にオススメの1冊

投資のプロである馬渕治好が「投資の収集と分析」について書いた「投資のプロはこうして先を読む 」は、投資をしている人だけでなく、広く経済ニュースなどにふれている人にも有用な一冊である。

馬渕治好氏のプロフィール

ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

主な著作は、




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