村上世彰(2018)『いま君に伝えたいお金の話』を読みました。
この本は、村上世彰氏が、日本の子ども向けに行っている「お金の授業」を通して、子どもが知りたがっていたこと、彼が伝えたいことが書かれています。そのため、優しくおしゃべりするような言葉で書かれています。
とても読みやすい本です。私は、アナリストとして仕事をしていますが、優しい言葉のその意味の深さを多く考えさせらました。
子どもから社会人、また金融業界で活躍されている専門家の方にもおすすめできる本だと思います。
村上世彰(2018)『いま君に伝えたいお金の話』
七並べの基本戦略とは何か
5章『稼いだお金を貯めて増やす』の中に番外編として「期待値を上げるためのレッスン(ゲーム)」が紹介されています。
その中で、例えば、七並べの期待値を上げる方法について
「僕が出さないことによってより多くのプレーヤーが影響を受けるカードを手元に残すことを基本戦略としています。」(同147p)
誰もが知っている「七並べ」という遊びに対して、世界的な投資家が「基本戦略」を語るなんて、ちょっと笑ってしまいました。
有名な方に、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、私は、村上世彰氏のこうゆうところ、大好きです。
数字に強くなる訓練ゲーム
数字に強くなるレッスンとして
- 食事の値段当てゲーム
- カードゲーム
- ポーカー
- じゃんけんゲーム
- 31ゲーム
などが紹介されています。気軽にできる遊びとして、取り入れていきたいですね。
詳しくは、書籍をご覧ください。
お金と上手に付き合うために必要なこと
その他にも、大切な理論がわかりやすい表現で解説されています。私も個人投資家向けに講演会・セミナーをする際に、参考にさせてもらおうと思った内容がたくさんありました。
「お金は絶対に必要である」(同33p)
「お金に支配されないために必要なこと」(同38p)
「借金はトランポリン」(同157p)
村上世彰氏のファンに
『生涯投資家』(2017)を読んでから、すっかり村上世彰氏のファンになってしまいました。
『生涯投資家』の中では、目指すべきことを「コーポレートガバナンスの徹底を通して、日本企業を改革する」と書かれています。
『今君に伝えたいお金の話』の中では「よりしなやかで、誰にでもセーフティネットがのある元気な日本」、「日本のお金の流れを良くすること」と書かれています。
私も投資家として仕事をするからには、投資で稼ぐことだけではなく、投資を通して何を達成したいのか、何を目指すのか、投資の先のゴールについて、しっかりと意志を持てるように、なりたいと思います。
2冊ともおすすめです。