【転職体験談】金融機関から大手メーカーにキャリアチェンジした際の選考過程と重要なポイントを詳しく解説【元アナリスト投資家】

私は大手金融機関に新卒入社して以来、セルサイドのアナリストやバイサイドのファンド運用投資家として、資本市場から企業や経済と関わるような仕事を10年以上してきました。

毎日、仕事が楽しくて充実した日々を過ごしていたにも関わらず、33才の時にエージェントを通して担当企業であった大手メーカーより引き抜きのお話しをいただき、ご縁があってIRに転職キャリアチェンジしました。

この記事では、金融機関でのアナリスト・資産運用投資家という仕事から大手メーカーのIRにキャリアチェンジ転職した際の選考過程について体験談を共有したいと思います。

履歴書や職務経歴書の書き方、面接の準備のポイントなどについても詳しくご説明します。今は、採用側で一次面接なども担当していますが、とても簡単なことなのに理解できていない人が多い気がします。

あくまで私の体験談ブログ、私の考え方ですが、最後まで読んでくださいね。

【転職体験談】金融機関から大手メーカーにキャリアチェンジした際の選考過程と重要なポイントを詳しく解説【元アナリスト投資家】

転職のきっかけとなるお話をいただいたのは突然のことでした。

これまでもセルサイドのアナリストとして担当している企業やバイサイドの運用投資家として投資している企業から、面談中に軽く冗談のように「弊社で働いてもらえませんか?」とお声がけいただいた経験がありました。

実際に直接お声がけいただいたお話に乗り、社長面接までお話が進んだ転職活動の経験もあります。(転職には至りませんでしたが。)

しかし、今回は初めて、エージェントさんを通して転職採用のお話をいただきました。

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エージェントからの電話で突然に転職活動がスタート

今でも覚えています。

長期の有給を取得してリゾートを楽しみ、自宅に帰ってホッとソファに座った瞬間、電話が鳴りました。

通常であれば知らない番号からのお電話は無視することも多いのですが、気分が良かった私はひとまず電話を取りました。

この電話が転職のきっかけとなると思いもしていませんでした。

人材エージェントからの転職活動のご提案

人材会社のエージェントのお話では、私が数年間担当している企業がIR部門での人材を募集しているということでした。

かねてより興味のあった会社で、タイミングを逃すと次はいつチャンスが訪れるか分かりません。

正直、当時の仕事が非常に楽しかったので、転職すべき時期かどうかを悩みましたが、ひとまずアプライしてみることにしました。

転職エージェントの話によると「できるだけ早くレジュメ(履歴書と職務経歴書)を提出してほしいとのことでしたので、週末2日で仕上げてエージェントに提出しました。

(エグゼクティブなヘッドハンティングや転職活動の際には、エージェントがレジュメを作成するという話を聞いたこともありますが、私の場合は自分で作成しエージェントからの特別な添削等もありませんでした。)

合格するレジュメ(履歴書と職務経歴書)を短期間で仕上げるポイント

転職エージェントの方からは、「できるだけ早く、遅くとも週明けにはレジュメ(履歴書と職務経歴書)を提出するように」との指示がありました。

週末で仕上げて月曜日に提出したのですが、採用選考を通過・合格できるレジュメ(履歴書・職務経歴書)を作成するポイントをまとめます。

転職活動に重要な4つのポイント

あとの面接の準備にも繋がる話なのですが、最も重要なポイントは、下記4点です。

1.私のメリット|自分の目指すべき姿に向かって、何故この企業に転職する必要があるのか

2.会社のメリット|私が入社することで企業の目指すべき姿にどう貢献できるのか

3.既存社員とのプラスのコミュニケーションを構築していけるか

4.これらを応募先企業の経営理念や経営方針に沿ってアピールできる根拠となるエピソード、経験を棚卸しして整理する。

1.私のメリット|自分の目指すべき姿に向かって、何故この企業に転職する必要があるのか

まず、1つ目を具体的に考えてみます。

・私のキャリアプランは〜です。私の夢は〜です。自分が望むような仕事、働き方をするためには、御社に転職する必要があります。

という類の話です。

自分の目指すべき姿に向かって、何故この企業に転職する必要があるのか、を明確に伝えます。

会社もお金をかけて採用活動をしているわけですし、すぐに退職するような人材ではなく、仕事が大変な時でも頑張れる根本的な部分で強い思いが合致した人材の方が安心な気がします。

それに人は誰しも人の役に立つと嬉しいですから。「御社に転職することで、私の夢を実現していけるんです!」ってお伝えすると、転職の面接官の方も嬉しいのではないでしょうか。

ただし絶対に忘れていけないポイントは、最後にもお話しますが「4.企業理念や経営方針に沿っていること」です。組織である以上、会社としての目指すべき姿が存在します。会社の目指すべき姿と自分の目指すべき姿がうまく関係性を持てるように十分に考えてください。

決して嘘をつく必要はありませんし、無理やり思ってもいないことを言う必要はありません。転職の面接官もプロですので全体にバレます。

ただ、表現の方法や伝え方、根拠となる経験エピソードを工夫することで、会社の目指すべき姿との親和性を高めていくようなイメージです。

次にお話する「2.会社にとってのメリット」ももちろん重要ですが、それ以上に、「1.私のメリット|自分の目指すべき姿に向かって、何故この企業に転職する必要があるのか」は重要なポイントだと思います。

2.会社のメリット|私が入社することで企業の目指すべき姿にどう貢献できるのか

多くの人は、「会社のメリット|私が入社することで企業の目指すべき姿にどう貢献できるのか」については、ある程度しっかりと考え準備されているような気がします。

例えば・・・

・これまでの経験を活かして、〜に貢献できます

・〜の能力を活かして、〜に貢献できます

という類の内容です。

特に転職活動においては即戦力となれる能力や経験を伝えることができると非常に強いと思います。それに、ここをきちんとお伝えすることで採用時の年収提示アップが期待できる気がします。

繰り返しになりますが、ここでも重要なポイントは、「4.企業理念や経営方針に沿っていること」です。

自分の能力・経験の棚卸しをする目的は、あくまで「会社の目指すべき姿に自分がどう貢献していけるのか」を伝えるための根拠を強く明確にすることです。

この目的を忘れて、自分語りにならないように注意しましょう。

会社の目指すべき姿と自分の目指すべき姿がうまく関係性を持てるように、それぞれの根拠、エビデンスとなるような過去の体験を整理すれば大丈夫です。

転職面接官が過去について質問する目的は、アピールしたポイントのエビデンスを探している過程のような気がします。

3.既存社員とのプラスのコミュニケーションを構築していけるか

次のポイントは「3.既存社員とのプラスのコミュニケーションを構築していけるか」です。

実はこのポイントについては、転職エージェントとのお話の中で初めて気が付いたポイントでした。

既存の企業に転職入社する場合、もう既に出来上がったコミュニティがあります。このコミュニティにうまくマッチしていけるのかについては、重要なポイントとなります。

というのも社員と社員の関わりは不思議なもので、1+1が3にも4にもなったりします。しかしマッチしないと1+1が1.5や1になるだけでなく、0.8+0.8になったりもするのです。

この「3.既存社員とのプラスのコミュニケーションを構築していけるか」に対する対策は難しいですが、もし転職先企業にお知り合いがいる場合には社風などについて聞いてみるのもいいかもしれません。

私の場合は、投資先企業として数年に渡り決算説明会に参加したり、スタッフから部長、役員クラスまで1on1面談をしてきたので、少なくとも入社後の部署メンバーについては理解できていました。

4.これらを応募先企業の経営理念や経営方針に沿ってアピールできる根拠となるエピソード、経験を棚卸しして整理する。

最後は、「4.これらを応募先企業の経営理念や経営方針に沿ってアピールできる根拠となるエピソード、経験を棚卸しして整理する。」です。

「優秀だけど当社には合わない」と企業の求める姿から全くズレた人材にならないために重要なポイントです。

何度も繰り返しになりますが、大企業ほど企業理念や経営方針に沿った人材かを定性的に判断します。

イメージとしては、実務上の評価は担当部門の部長や役員、社長等が行い、会社の方針に沿った人材かを人事部のスタッフや部長、役員が行うようなイメージです。

そのため、先にお話した1〜3の基礎、根底はこの「4.経営理念や経営方針に沿っているか」が重要な道標となります。

転職が目的であり、どこの会社でもいいけれども、とにかく転職がしたい、という場合には大量のレジュメを提出すればいいかもしれませんが。。

「絶対にこの会社で仕事がしたい」と考える場合には、自分をベースに考えるのではなく、会社をベースに、会社の「4.経営理念や経営方針に沿って」、1.自分にとってのメリット、2.会社にとってのメリット、3.会社に馴染めるかをアピールして、その根拠となるエピソードや経験などの過去の話を整理するのがベストかと思います。

これは、レジュメ(履歴書、職務経歴書)等の作成のみならず、面接の対策にも重要なポイントであると考えます。

それでは、次に私が大手日系メーカーに転職した際の選考過程について体験談をお話します。

大手メーカーの転職選考過程の体験談

結論から言うと一次面接、二次面接、SPI試験を受けました。

一次面接の面接官と内容

一次面接の面接官は、直属の上司になる予定の部長と人事部のスタッフクラス(平社員)の人でした。

部長に関しては、私が投資家の立場で何度も面談をさせていただいていた方で、数年のお付き合いがあったので、ある程度、コミュニケーションが構築できている方でした。その人との面接は雑談程度の内容でした。

ただ、私は転職にあたりひとつハードルを持って望んでいたので、そのことに対する議論を1時間ほどしました。後で聞いた話では、「採用することは決めていた」と言われました。この後、役員面接を受けたのですが、もしかしたら現場レベル(一次面談)からのプッシュが大きかったのかもしれません。

二次面接の面接官と内容

二次面接は実務上の担当役員と人事部長でした。

担当役員とはお話したことはありましたが、しっかり議論レベルの話をするのは初めてでした。一次面接が雑談程度の軽い内容だったので、完全に油断していましたが。

私は入社後に何がしたいか、何ができるか、また会社は私に何を求めているか、について1時間以上しっかり議論しました。人事側からは、大学生の時に関する質問があり、全くの想定外でかなりびっくりしたことを覚えています。

転職SPIも受験、対策がんばりました。

SPIも受けました。今は転職採用でもSPIを受けるのが一般的なのでしょうか。

こちらも全くの想定外で、会社からspiを受けるように指示があってから1〜2週間で猛勉強しました。

SPIって頭のいい人ならさほど勉強しなくても解ける問題ばかりです。また、頭の悪い人でも勉強さえすれば解ける問題ばかりです。企業がSPI受験を求める理由は知りませんが、予想するに地頭の良さ、または努力できるかを確認したいだけなのかな、と考えました。私はさほど頭は悪くないですが、後者で生きているタイプなので、かなり勉強してテキストをしっかり仕上げてうけました。

私が入社する会社にとってのメリット。会社にどう貢献できるのか、。

会社の企業理念、経営方針、採用予定の部署や職位に求められることを軸にして。それらをアピールするための根拠として、自分のこれまでの経験エピソードを洗い出す。

以上が私の「【転職体験談】金融機関から大手メーカーにキャリアチェンジした際の選考過程と重要なポイント」です。

キャリアチェンジの転職をして、2年近くがたった今、転職して満足しているのか後悔しているのか、年収やストレスの度合い、自己成長の充足感などについて、また違う記事でまとめたいと思います。

長いブログを最後までお読みいただきありがとうございます。

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