私はこれまで「努力すれば何事も達成できる」と信じて疑うことなく生きてきました。
何かを得ることができない原因は、「努力が不足しているだけだ」と決めつけていました。
頑張れば得られないモノ・コトなどは何もないと思っていました。
でも、自分の力を超えたどうにもできない運命のようなものに飲み込まれる経験をしました。そんなとき、戦国武将 勝海舟の言葉が私の心を支えてくれました。
人生に陽が当たっていない時にこそ、その人がどれだけの人かがわかる
人生に陽が当たっているときは、何をやっても上手くいく。その人がどれだけの人間かは、人生に陽が当たっていない時にどのように過ごしていたかで分かる。
予期せぬ人生・運命に飲み込まれる
社会人になって10年を超えた現在、私を含めて同級生の多くは、想像もしなかった予期せぬ人生を歩んでいます。
病気になり仕事のキャリアを中断せざる得なかった友人
障害を持った子供を出産し子育てに専念することを決めた友人
素敵なパートナーと出会ったものの仕事に熱中するあまり家庭崩壊となった友人など。
若い頃、学生の頃に「頑張れば必ず叶う」と信じた自分の夢をその通り叶えることができる人は、人はいないのかもしれません。
人生とは一瞬一瞬の判断・偶然の積み重ねで今に至る
私の社会人人生10年間を振り返ってみても、予期せぬ出来事の連続でした。
今は、天職とさえ思えるシニアアナリストの仕事に出会うことなど、想像もしていませんでした。
仕事やプライベートを通じた様々な出会い、偶然のきっかけが重なって今の仕事にめぐり合いました。とても良い意味で、予期せぬキャリアとなっています。
プライベートにおいても、予期せぬ出来事の連続です。自分の力ではどうすることもできない運命の力に飲み込まれ絶望しました。
自分の中で、どうにも解決できないことが起こったのです。
陽の当たらない時こそ人としての価値が見える
人生に陽が当たっているときは、何をやっても上手くいく。その人がどれだけの人間かは、人生に陽が当たっていない時にどのように過ごしていたかで分かる。勝海舟
予想だにしなかった困難にぶつかったときこそ、その人の本当の力が試されるのかもしれません。その人の本日が試されるのだと思います。
もう一つ、三浦綾子氏の銃口の中に印象深い言葉があります。
自分の教え子に対する優しさは、恵まれた環境にあっての優しさだ。竜太はそこに気がついた。銃口〈下〉 398p
戦後の食糧難の時代に、2つ持っていた握り飯を飢えた子供に分け与えることを惜しいと思ったことへの苦悩です。
何をしても全てがうまくいくような順調なときもあるでしょう。
でもそんなときばかりではありません。そんな人生に陽が当たらない時にこそ、人としての本質が現れるのでしょう。
覚悟を持って生きる重要性
何が起こっても死なない限り、命ある限り、何が起きようとも、生きていかなければなりません。どんな困難があろうとも、生活を続けなくてはならないのです。
いわば人間の力を超えた運命のようなものに飲み込まれた時、何が起こっても、力強く生きていかなければならないという、覚悟を突きつけられます。
予期せぬ病気にこれまでの生活が一転したとしても命ある限り生きていかなければなりません。
予期せぬこと、それは人生への覚悟を問われているのかもしれません。
人生の「幸せ」とは何か。絶対的な価値観の軸
私たちの人生はとても複雑に絡み合い混沌としています。
「幸せ」や「成功」の定義は、多様であることに気がつきました。
人生における自分自身の軸を強く持つことは、非常に大切なことだと思います。
「**さんよりも優れているから幸せ」などという相対的な価値観は、対象物の変化により簡単に失われてしまいます。
「**を持っているから幸せ」などという属性による価値観も属性がなくなれば簡単に失ってしまいます。
そうではなくて、自分の中に絶対的な価値観、誰に何を言われても、何がどう変わろうとも、揺るぎない幸せの価値観を、自分の中に持ちたいと思うのです。
私自身の幸せを考えてみると
私自身、自分自身の人生の軸、羅針盤のようなものを、改めて考える必要があると思いました。
まだ、きちんと言葉にできるほど、明確な答えを見つけることができていませんが、
・信頼できる人(仕事・プライベート)と一緒に過ごすこと、
・誰かの役に立つことの2つをあげたいと思います。
私は、「自分が生きた証を残したい」という気持ちが強くあります。
例えば、このサイトの更新であったり、アナリストランキングの表彰、今後は、書籍の出版などにも挑戦してみたいと考えています。
また、一緒に過ごす人の心にも、生き続けることができるような人生を送りたいと思います。愛情や友情など強い絆で結ばれた人間関係を大切にしていきたいです。
そして、仕事の非金銭的報酬についても考えてみたいと思います。
私たちは、仕事を通して、お金以外の多くの非金銭的報酬を得ています。
例えば、「承認欲求」「自己実現の欲求」などが挙げられますが、その中でも、私は「他人が喜んでくれること」に幸せを感じので、人の役に立てるような時間を意識して確保していきたいです。
死ぬときに後悔すること
「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・クリステンセン教授のお話を一つ紹介したいと思います。
死期が迫った経営者のカウンセラーをしていたそうですが、死ぬ間際に、誰一人として「もっと仕事をしておけば良かった」とは言わないそうです。
「もっと家族との時間を大切にすれば良かった」「もっと自分の時間を大切にすれば良かった」っと後悔するそうです。